Wonder Land
- koike haruka
- Aug 8
- 5 min read
Updated: Aug 18

7/7 羽田
英国からの帰国は七夕までにと決めてた
ヒースロー空港はひどくstuckしていた
ANA777便の中で1時間半以上
滑走路に行けないまま飛び立つのを待っていた
羽田から国内線へ乗り換えの方々も多いようで、
客室乗務員は皆、慌ただしく乗客一人一人へ低い姿勢で説明をして廻っていた
人々の苛立ちを感じる機内で私も落胆していた
エコノミーからアップデートをしたのだけど
イギリスの場合差額が生じるらしく
支払いに間に合わなかったため
結局エコノミーで帰ることになってしまったのだ
行きが長くてきつ過ぎたため帰りはゆとりが欲しかったのに...
ここに来る前にOxfordへ
story musiumでHarrypotterやAris Wonderlandなど物語を集めた館に迷い込み楽しくて遊び過ぎた
ミッフィーを探して丘を上ったり降りたり
小雨の降る中、真っ白のTシャツに白のスカート
薄い黒のジャンパーを傘の代わりにして
忙しくオックスフォードを駆け回った
なんだかそれこそ物語のウサギになったように‥
「時間がない、時間がない!」
言っている自分に苦笑しながらも必死だった
(役を演じているのを理解しながらやっている感じだ)
だからOxford駅のプラットフォームにあと3分で間に合い、向こう側のホームを眺めるとシャワーカーテンのようにザーッと急に雨が落ちてきた
なんだかスローモーションを見ているよう
とても綺麗だなと写真を撮る
送り火の京都でみた雨に似ていた
空港への列車内で英国紳士と隣の席になった
彼がF1英国GP決勝戦の中継を観はじめたため
(私のスマホは電池がなくなりかけていた)
「よろしければ一緒に観てもいいですか?
F1が好きで金曜日は現地で観戦したんです」
と言うと
「僕は昨日観に行ったんだよ。もちろん!」
と快くOKしてくれた
電波の悪い中継に悪戦苦闘しながらもレースやF1選手についてあれこれと話をし仲良くなった
「君はいつ帰るの?今日なのか、
シートはファーストかな?」
と自然と投げかけられた
あれ、本当に帰らなければならないのだろうか・・・
ビジネスならともかく…
ファーストという選択肢はなかった
なぜ選択肢から外しているのだろう
なぜだかとても引っかかった
「日本のホテルはどこがいいかい?
やっぱりマンダリンかな?」
シャングリラのスパがお気に入りだけど
マンダリンが気になってもずっと行けていない
数日前イタリアで列車が止まった
夜中であれ数万円をかけてタクシーで
フィレンツェへ飛ばし支払い済みの5つ星に泊まることもできた
なぜ諦めた なぜ行かなかっただろう
我慢することが習慣になっていると最上の選択が見えても、無意識に小さく見積もり手のひらに収まるものを選択する
そんないくつかの問いをいただき回想していると
荷物を預けているSlouth駅のアナウンスが微かに聞こえる
まずい!降ります!急がなきゃ!!
おじさまはびっくりしてたけどごめんなさい!
彼を跨がせていただき飛び降りた
せっかく仲良くなったけどFast nameしか交換しなかったな...
ま、いっか。(いつかまたどこかで!)
急いで降りたのだけど...
1日延ばして決勝戦を観ることもできたかも
最初からビジネスの往復を取ることもできたかも
ファーストへアップデートを試みることもできるのかもしれない
そんな幾多の選択肢が再び浮かび上がった
機内の私の前の画面 映画を探してみると
『アップデート女子
(どん底からの脱出?だったかな)』
ぴったりな洋画がNew!と光っていた
早速視聴した
ロンドンを舞台に描かれたカリフォルニア女子のサクセスストーリー
よくあるストーリーのように感じられたが軽快で良かった
最終的に彼女はアップデートをせずにファーストクラスを乗っていた
それから食事を摂り、急な眠気に襲われ少し眠ることができた
体制が落ち着かずしばらくすると目が覚めてしまって音楽を聴くためコンテンツを探す
『Coldplay 2022年 Live動画』がNew!とこれまたアップされていた
マラネッロで、品のいいメルセデスタクシー
夕陽の田園を背にしてとカーチェイスのように飛ばしてくれた
その時にラジオから流れてきたのがColdplay〝Viva La Vida〟だった
やや苦笑しながらフラグに沿って2つ目のNew動画を選択する
ブエノスアイレス公演はもの凄い盛り上がり
グラミー賞ノミネート監督のポール・ダグテール氏がディレクターズカットを手がけているようで美しかった
ああ、私は来日アーティストばかりをチェックしていた
自分が海外公演に行くこともできるのだ
数時間が経過し、やることも尽きた
到着までの30分 3本目の映画を探した
そこには『マトリックス レザレクションズ』
選択とコード、仮想と現実
...これってダメ推しだよねと苦笑しながら視聴
1つ勇気を出して行動を起こす
その先に出会いがありノックする
誰かのキーワードや何かのフラグが光る
反響音によって鏡を理解できる
そこに風穴を開け潜り抜ける
軽やかに窓を開け飛び出す
または、堂々と扉を開けて出ていく
あたらしい世界が作られていく
2時間遅れで羽田に到着し、
時計を確認すると夜の7時
p.m.07:00- 07/07 reiwa07
ラッキー7が4つ並んだ
奇妙で気づきさえすれば
くだらなくてクスッと笑える
ユーモア溢れるのがこの世界
不思議の国へ ようこそ。






















